今後どうなる?アフターコロナの「テレワーク」マクロ環境予測(3)

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本題:今後テレワークはどうなるのか?マクロ環境の予測

 ここからが本題で、テレワークを取り巻くマクロ環境はどうなっていくのか?いくつかの方向から予測していきます。

1.PEST分析

テレワークを取り巻く環境の分析

 こうして並べてみると社会的な要因が一番強いように思えます。誰がどう考えても少子高齢化が進んで働き手は足りなくなりますから、いろんな人に働いてもらわないと困ると。政府の働き方改革もそも文脈で始まったものですし。政府は今はコロナ対策で大変なのでテレワーク推進についてはちょっとアクセルを緩めたところですが、背景を考えるとやはりテレワーク推進は政府としても避けて通れないように思えます。
経済的な要因としては、実際にやってみたら思ったよりもよかったという意見と、そうでもないという意見と両方がある状況です。特に、経営層がテレワークを嫌がり、社員がテレワークを歓迎する、という構図が多い様です。たしかに、経営層からするとテレワークの方が管理が大変なので出社させた方が楽なんですよね。特にメンタル面の不調とか人間関係などは対面の方がいい効果を発揮するのは間違いないわけで、とはいえ、富士通、リクシル、ぐるなび、NTTグループその他多くの大企業がオフィスを半減させてテレワークを推進褪せようとしていることも事実です。今後、株主からするとDXとテレワークによる生産性向上は無視できないトピックですから、経営層がいくら抵抗しても、緩やかにテレワークの導入が進み、ハイブリッドワークになっていくという味方が多い様です。30%程度がハイブリッドに、70%の企業が全員出社になるというイメージでしょうか。

テレワークなどで出勤者7割減「見直すべき」 経団連が政府に提言:朝日新聞デジタル  経団連は8日、政府が新型コロナ感染拡大対策として呼びかけてきたテレワークなどによる「出勤者数の7割削減」について、「科学 www.asahi.com

 技術的な側面はこの2年間で様々なSaaSやウェブサービスが発展していったので、テレワークにとっては追い風です。どこででも働けるのであればオフィスにこだわる必要はないわけで、若い方を中心に就職や転職で「100%出社」にする必要がないよね?と判断されれば、優秀な人材採用が困難になる可能性もあります。
ネット企業などはその辺り敏感なので、ネット系及びIT系の会社はエンジニアやDX人材確保のためにテレワークを推進していくようです。

2.オフィスを半減させている企業の事例

 ダイヤモンドオンラインの記事では、オフィスを縮小させた企業として、富士通、あいおいニッセイ同和損害保険、ぐるなび、東芝、三菱UFJ銀行、ANAホールディングス、LIXILなどの名前を挙げていました。その他にも、30万人を原則出社なしにしようとしているNTTグループや、日本全国どこででも働ける制度を作ったメルカリ、ヤフー、LINEなどのネット企業など、オフィスの分散が進んでいます。

LIXILがオフィス9割削減!リモート定着でも新規供給が続く都心オフィス市場は「激変」必至 リモートワークのメリットとデメリットが議論される中、LIXILは都内のオフィスを9割削減し、コロナ終息後も元には戻さない。 diamond.jp

 ただ、私の周囲の大会社をみていると現状では「オフィスと自宅」だけが働ける場所であり、シェアオフィスやワークスペースなどでの勤務はまだ認めていない企業が大部分です。これらの企業が今後3-4年でどういった判断をするのかも、今後のテレワーク市場を左右する問題になります。
実際に私が直接聞いた話やSNSでの投稿をみる限り、オフィスと在宅しか認められていない企業であっても気分転換にファミレスやカフェで仕事をしている例は多く見かけましたし、コロナ禍でテレワークの有効性を認識した経営層としても“モグリ”で社員がカフェなどで情報漏洩するぐらいなら、オフィスを縮小して余った予算で会社が認めたワークスペースだけを社員に使わせるというのは、あり得る話かと思います。
また、NTTグループの記者会見でも話が出ていましたが、テレワークを自社で推進してノウハウを溜めた上で、NTTグループのお客さんの困りごとを解決していくという話がありました。テレワークが推進されると本業が儲かるような業種の場合、それは間違いなく自社でもテレワークを推進してデータを溜めた上で、DXコンサル、オフィス分散コンサルなどに進出するということも流れとしてありそうです。
あとその他に考えられる企業の意欲としては、単純に業績悪化に伴うコストカットというニーズもあるかもしれません。オフィスの契約は通常5年や10年で長期契約を結びますから、コロナ禍でオフィスを縮小しようと検討したとしても次の更新を待つとしたらちょうどこれから2-3年ぐらいでのオフィス縮小があることになります。その際に、仕事は在宅でもオフィスでもサテライトでもできる体制なのだとしたら、フィットするサイズにオフィスを縮小するという流れは自然なのかもしれません。また、2-3年後には他社でオフィスを縮小した企業の成果も出ているでしょうから、企業のコストカットにつながるのであれば当然株主からの要求もあると思います。

3.オフィス役割の変化と社員さんの動向

 オフィスを縮小分散するのも、ワークスペースを契約するのも企業であはあるものの、実際にテレワークをするのは個人社員さんです。社員さんはテレワークについて今後どうしたいと思っているのか。
SNSでの投稿や各種ニュースサイトのアンケートなどをみる限りは、毎日出社は無理、でも毎日在宅ワークも無理、というところでしょうか。
オフィスには2つの役目があると言われています。仕事をする作業場という側面と、コミュニケーションの場としての側面です。仕事をする場所としてのワークスペースは在宅でもサテライトオフィスでもいいのですが、コミュニケーションの場はやはりバーチャルよりもリアルなオフィスの方が良いという声を聞きます。新入社員であったり同僚や上司とのコミュニケーションは、今後もSlackよりもリアルなコミュニケーションが重視されるのではないでしょうか。
つまり、今後のテレワークのあり方としては、

・業種と職種によっては100%出社に戻る
・30%ぐらいはハイブリッド型でオフィス勤務とテレワークを混ぜる
・オフィスは作業場ではなくコミュニケーションスポットに
・オフィスは契約満了時に縮小されていく
・少子高齢化という社会課題に対して働き方改革は進まざるを得ない
・企業経営者はテレワークを嫌がるが、採用と株式市場からの圧力に耐えられるのか?

こんな感じでしょうか。
以上、今後数年間のテレワークを取り巻く環境についての予測になります。
自分の脳内整理用なのでまたアップデートがあれば書いていこうと思います。異論は認めます。SNS等でどうぞ。

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